コロナウイルス風邪は武漢コロナウイルスに対する免疫を獲得

コロナウイルスとは

2003年のSARS流行の時にコロナウイルスという名称を初めて知りました。
ありふれたウイルスで、現在まで人には6種類知られていましたが、今回の新型コロナウイルスはSARS-COV2の突然変異したもので、これを加えると7種類となります。
風邪の10~15%(流行期35%)はこれら4種のコロナウイルスを原因となっています。。
冬季に流行のピークが見られ、ほとんどの子供は6歳までに感染を経験します。
多くの感染者は軽症だが、高熱を引き起こすこともあります。

 

T細胞とコロナウイルス

SARSウイルスが突然変異したものが、新型コロナウイルス(武漢ウイルス)と言われています。
武漢ウイルスのRNAの塩基配列は、SARSウイルスと約90%が同じです。

T細胞とは、細菌やウイルスが体内に侵入した時に、これらを排除するために働く免疫細胞です。
細菌やウイルスは、マクロファージという大型の細胞によって貪食され、分解したたんぱく質をT細胞に異物(抗原として認識させます。

ヘルパーT細胞とキラーT細胞の2種類があり、細菌やウイルスという抗原排除に働きます。
ヘルパーT細胞は細菌やウイルス由来のたんぱく質を抗原として認識し、様々なサイトカインという免疫伝達物質を産生放出します。
リンパ球のB細胞に働きかけ、抗原に対する抗体産生を促します。
また、ヘルパーT細胞はキラーT細胞を活性化し、キラーT細胞はウイルスが細胞内に侵入した細胞そのものを排除するように働きます。

このような免疫機能は、抗原が侵入してから抗原の種類によって記憶され、再度の細菌、ウイルスの侵入に際して、直ちに排除するように活性化されます。
一度あるウイルス感染を受けた場合に、二度目の感染が軽く済む、あるいは感染症状が出ないという仕組み免疫の仕組みです。

武漢ウイルス感染細胞を攻撃するキラーT細胞(黄色粒子)
http://science.sciencemag.org/on June 7, 2020より

冬風邪コロナウイルス感染の免疫機構は武漢ウイルスに対しても有効

非常に興味あるT細胞の反応に関する研究報告がドイツとアメリカから、同時期に発表されました。

1. Alba Grifoni et al.. Targets of T Cell Responses to SARS-CoV-2 Coronavirus in Human with COVID-19 Disease and Unexposed Individuals.
https://doi.org/10.1016/j.cell.2020.05.015

2. Julian Braun et al.. Presence of SARS-CoV-2-reactive T cells in COVID-19 patients and healthy donors.
medRxix: https://doi.org/10.1101/2020.04.17.20061440

両研究報告とも、武漢ウイルス感染病(COVID-19)患者と非感染健常者からの血液中ヘルパーT細胞とキラーT細胞の武漢コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する反応性を検討したものです。

研究方法としては、非常緻密であり説明が困難なため、結果だけを紹介します。

両研究では、武漢コロナウイルス感染症者ではウイルスを標的とするT細胞が確認された、感染からの回復に関与していることが示唆されています。
一方、武漢コロナウイルスに感染したことがない人においても、武漢コロナウイルスを認識するT細胞の存在があり、1.のアメリカの報告ではヘルパーT細胞の40~60%が反応している。
2.のドイツでの検討では、健常者の34%においてヘルパーT細胞は武漢コロナウイルスに対して反応性を有しています。

このT細胞の反応性は、恐らく通常のコロナ風邪に感染したことによるものと推測されます。

要するに、4種類の季節性コロナウイルスは武漢コロナウイルスと交差抗原性があるという結果です。

前にも述べたように、日本を含むアジア人と欧米諸国の白人とで感染者および死亡者の比率に大きな違いがあります。
この違いは、季節性コロナウイルス感染によってアジア人は既に免疫機能が獲得され、武漢ウイルス感染に対して抵抗性が高かったのではないかと推測できます。

上記両研究ともドイツおよびアメリカでの少数の検体での研究です。
結論を出すのには早いかもしれませんが、通常のコロナウイルス感染による免疫機能持続によって、武漢ウイルスに対する感染抵抗性があったことは否めません。

そのためにも、日本人のT細胞の反応性の確認が必要です。

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