MIS-C: 小児の多組織炎症症候と武漢ウイルス感染症

Multisystem Inflammatory Syndrome in Children (MIS-C)の報告

2020年9月9日の発表のアメリカの疾病予防管理センター(CDC)の発表によると、武漢ウイルス感染症と関係するMIS-Cの深刻な疾病の報告がなされました。

2020年9月3日までに792例のMIS-C (小児多臓器炎症症候群)の症例が報告され、42州で16例が死亡したとの事。
本疾患は、武漢コロナウイルス感染症(COVID-19)と関連した 稀ではあるが深刻な症状の疾患です。
MIS-Cは新症候群であり、COVID-19感染後あるいはCOVID-19感染者と接触した後に起きる小児の疾病ですが、まだ未知なことが多き疾患。

MIS-Cの背景

今まで解明されているMIS-Cの症例の背景は

*ほとんどの例が年齢1歳から14歳(平均年齢8歳)の子供である。

*1歳以上20歳までの子供に発症する。

*70%以上の症例はスペイン/ラテン系の小児(276例)と非スペイン系黒人(230例)である。

*症例の99%(783例)はCOVID-19を発症させるSARS-CoV-2(武漢コロナウイルス)陽性であり、残り1%はCOVID-19患者に接触した者です。

*ほとんどの小児はSARS-CoV-2に感染後2~4週間でMIS-Cを発症する。

*報告者数の54%は男性である。

MIS-Cの定義

MIS-Cの臨床診断は以下の3点が基準となります。

1.21歳以下で発熱、臨床検査で炎症の存在および臨床的に入院が必要な重篤状態で、2臓器以上(心臓、腎臓、呼吸器、血液学、胃消化器、皮膚および精神)の障害が認められる。

2.他疾患がないこと

3.ごく最近のPCR, 血清学的および抗原検査で陽性であり、あるいは発症前4週間以内にCOVID-19患者との接触がある。

注)発熱
24時間以上、38℃以上の発熱。あるいは24間以上持続した発熱の経歴。

注)臨床検査での炎症
*C反応性たんぱく(CRP), 赤血球沈降速度(ESR), フィビリノーゲン、プロカルシトニン、d-ダイマー、フェリチン、乳酸脱水素酵素(LDH)、インターロイキン6(IL-6)の上昇
*好中球の増加
*リンパ球の減少
*アルブミンの減少
これら検査値の2項目以上を勘案する。

川崎病との関連

川崎病(Kawasaki Disease)は、1973年日本の川崎医師らが世界で最初に報告した、小児の稀な疾患です。
川崎病と命名される以前は、頸部リンパ節の腫脹を伴い急性熱性粘膜皮膚疾患です。
1~2%が突然心不全で死亡します。
剖検では、冠状動脈血栓症および動脈瘤を伴う乳児性動脈周囲結節様動脈炎の所見が認められる。

CDCは、川崎病との関連でMIS-Cで以下のように報告を義務付けています。
*症例が川崎病の定義の全部あるいは一部を満たしたとしても、MIS-Cの定義を満たしておれば報告しなければならない。
また、
*SARS-CoV-2感染が明らかな場合は、小児の死亡はMIS-Cと考えるべき、としています。

川崎病とMIS-Cとの比較報告もありますので参照してください。
*https://www.dr-kid.net/misc-kd-mas
*http://ko-island.yokatoko.com/pr/uemura/2020/07/15/%E5%AD%90%E4%BE%9B%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください