スウェーデンの武漢ウイルス肺炎対策と成果

スウェーデンが「集団免疫」を獲得、現地医師が明かす成功の裏

この表題は、週刊新潮2020年10月15日号掲載記事をデイリー新潮DAILY SHINCHOが配信したものを一部抜粋({})します。
武漢コロナウイルス肺炎感染症は、100年前のスペイン風邪以来の世界的流行で2020年の世界を震撼させ、現時点(2020年10月30日)においても進行中であり、完全な収束の兆候が見えていません。
各国はそれぞれに対策を実施しているところです。
日本における武漢コロナウイルス肺炎感染症については、司令塔であるべき厚生労働省からは国民を納得させる情報の提供は貧弱であり、統一した、そして時宜に適した統計データさえ発信されていません。
一方、地方自治体も統一した感染患者の定義もなく、ウイルス検査陽性者を感染患者と見なすなど混乱が生じています。
このコロナ感染禍を通じて国民が知ったのは、国家に指導者がいないこと、見識ある専門家が政府の顧問として招聘されていない、感染者や死亡者数、それらの年齢・性別、基礎疾患の有無、外国人情報の隠匿、データ収集と報告手法の欠如、などなど日本国の体制の脆弱性であるといって過言ではないでしょうか。
また、煽情的、恐怖を扇動する新聞・テレビなどのマスメディアの知的能力の低さも露呈し、今後の在り方の反省材料となっています。

このような日本の情勢の中、表題の記事はスウェーデンという北欧の一国の武漢コロナウイルス肺炎感染症に対する政府の対応、情報発信、統計処理に迅速化、国民の対応、成果が良くまとまっていると感じました。
よって、皆様と共有をし、今後の日本人としての対応策の一環になればと思います。

国家疫学者による主導

武漢ウイルス禍において、日本には侍がいなくなったことが判明し、北欧には侍が出現した。
「スター並みの疫学者と評価、尊敬されるているのがスウェーデンの武漢ウイルス肺炎対策を指揮するアンデッシュ・テグネル氏(64歳)。
丸眼鏡に寝癖髪がトレードマークのテグネル氏の顔写真をプリントした服がストックホルムの街中で売られ、似顔絵を入れ墨風に腕に描いた市民まで何人も見かける。
テグネル氏を歌ったラップ曲が登場し、ユーチューブで何万回も再生されています。
まるで有名スター。
スウェーデンの人口は1千万人強。感染者数や死亡者数は日本を上回り、対策が成功しているとは言い難い。それでも、6割近い国民はテグネル氏を支持し、9割の方はマスクは着用していない。
他の欧州諸国のように感染状況に応じて規制の変更を望まない、自主性を重んじるスウェーデン人の気性が現れている。」
(以上、産経新聞ロンドンの甃、坂東和正氏報告参照)。

日本の事を振り返ってみると、テグネル氏のような見識と信念を持った日本人は、スウェーデンの10倍もの人口にも拘らず、いない。
いるのかもしれないが、自民党政権や厚生労働省には都合の良い御用専門家が招集されただけに見える。

国民的英雄の疫学者アンデッシュ・テグネル氏

国家による感染予防政策

{グローバルに多様性が求められる昨今でも、こと危機下においては、自分流を貫くのは難しい。周囲に足並みを揃えないと、日本の自粛警察が典型だが、圧力がかかる。しかも、圧力をかける側も付和雷同なだけで、根拠が薄弱な場合が多いからやっかいだ。

スウェーデンの街並み

スウェーデンの街並み

それは国家レベルでも起きる。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、ヨーロッパの多くの国がロックダウンを導入した際、スウェーデンはそれを回避した。
その独自路線は当初から物議をかもし、死者数が増えると失敗の烙印を押され、自国のノーベル財団や医師からも批判された。

ところが、同国のカロリンスカ大学病院に勤務する宮川絢子医師は、「スウェーデン当局は、集団免疫を達成しつつあるという見方を発表しています。最近、若者を中心に陽性者数は増加傾向にあるものの、重症者数や死者数の推移が落ち着いたままであることも、その状況証拠になっていると思います」 と話す。

そうであるなら非難されるどころか、フランスやスペイン、イギリスなどで感染が再燃するなかでも、泰然としていられよう。
すなわち、問題児のはずのスウェーデンが勝者になったことになる。

では、スウェーデンではどんな対策が講じられ、なにが起きたのか。
いまも日ごとの感染者数に一喜一憂する日本とは、人々の意識をはじめ、どう異なるのか。
それを辿ることで、このウイルスの性質も、われわれの向き合い方も、いっそう明瞭になるに違いない。}

{京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授が言う。

「集団免疫を獲得してさっさと収束させるか、ワクチンや薬ができるまで自粛を続けるか。
新型コロナはどちらかまで収束しませんが、医療崩壊しないかぎり、トータルの感染者数と死者数は変わらないと考えられます。
そうであれば、生活を自制する期間が短いほど経済への影響は小さくてすみ、経済苦に悩まされて自殺する人などを含む、トータルの死者数を抑えることができます。
ワクチン開発には時間がかかるでしょう。
その間、経済がダメージを受け続けるなら、重症化しやすい人への感染を防ぎつつ集団免疫を獲得し、早めに収束させたほうがいい」

もっとも、スウェーデンの対策は必ずしも集団免疫獲得を狙ったものではない旨を、宮川医師は説く。

「長期間の持続が困難なロックダウンは避け、ソーシャルディスタンスをとりながら高齢者を隔離し、医療崩壊の回避を狙ったのです。
6月時点で、ストックホルムでの抗体保有率は20%程度でしたが、新型コロナに対し、感染を防いだり軽症化させたりする細胞性免疫が存在する可能性が次々と報告され、公衆衛生庁は7月17日、“集団免疫がほぼ獲得された”という見解を発表しました。
これはいわば副産物です」}

情報は隠されていない

{スウェーデンの規制のあり方は、強制を伴うロックダウンは行わず、自粛要請にとどまった日本の対策と近い――。
そう気づいた方も多いのではないか。もちろん、違いはある。

日本と大きく違ったのは、学校を休校させたかどうか、です。
スウェーデンでは子どもが教育を受ける権利が重視され、家庭環境に恵まれない子どもが登校できなくなることで起きる弊害が考慮されました。
一斉休校になれば、医療従事者の1割が勤務できなくなるという試算もあり、高校や大学は遠隔授業になっても、保育園や小中学校は閉鎖されませんでした」

「悪いデータもよいデータも公開され、情報が隠されていないことが、国民の安心につながっていると思います。
死者数が増えているときでも、手を加えていない生データが毎日公開されます。
陽性者数だけが問題になることはなく、PCR検査数が増加して陽性者数が増えたときは、“重症者と死者は減っているので問題ない”という説明が当局からありました。
別のときには、“陽性者が増えたのは10代後半~40代で、リスクグループである高齢者の陽性者は減っているので問題ない”という説明もなされました。
アンケートによれば、当局の対策は7割程度の国民に支持されています。

死者数を見ず、陽性者数ばかり気にする国もあり、ノルウェーなども陽性者数が増えてかなり騒いでいて、そういう状況は日本にも見られます。
死者数にフォーカスするスウェーデンとはだいぶ違います

感染死亡の統計と分析

{新型コロナウイルスに感染しての死者数は、たしかにスウェーデンでは、最近あまり増えていない。
累計5899人で(10月15日現在)、ピークの4月には1日100人を超えた日も4回あったものの、8月はひと月で78人、9月は54人とかなり落ち着いており、9月下旬以降はゼロという日が目立っている。

結果として、7月以降は国内の死者数全体が、例年とくらべてむしろ少ないほどだ。
掲載の表は人口10万人あたりの死者数を週ごとに算出したものだが、9月第3週は13・9人と、ここ数年で最も少なくなっているのである。

スウェーデンの人口は1035万人だから、6千人近い死者数は、絶対数として少ないとはいえない。
しかし、人口4732万人のスペインにおける3万2千人、同6706万人のフランスにおける3万2千人、同6679万人のイギリスの4万2千人とくらべ、多いわけではない。
しかも、ロックダウンを実施したこれらの国が、いま感染の再燃を受け、再度のロックダウンを検討し、部分的にはすでに導入していることを思えば、スウェーデンに分があるとしか言いようがあるまい。}

スウェーデンの週間死亡者数の過去との比較

それでもノルウェーの死者数は275人、フィンランドは345人なのにくらべ、スウェーデンは犠牲が大きすぎたという指摘もある。
だが、『北欧モデル』の共著もある日本総合研究所の翁百合理事長が言う。

「5月にはトランプ大統領が“スウェーデンの緩やかな対策は、大きな代償を払うだろう”と厳しく非難し、ほかにも“経済を最優先して死者数が増えた”といった報道も多い。
しかし、これらはスウェーデンのコロナ対策の実態を理解しているとは言いがたいものです。
死者が多かったのは、むしろ介護システムの問題です。
医療と介護の機能分担に続き、高齢者の在宅介護が進められ、施設には重度の要介護高齢者が入るようになった。
その施設は管轄が県から市町村に移ったうえに、民営化が進んでコスト削減が求められました。
介護施設の医療は手薄になり、介護者も3割は時給が安いパートタイマーで、多くは移民。
スウェーデンで新型コロナに感染して亡くなった人の9割は70歳以上で、その5割は介護施設に居住していました。
感染防止対策が不十分な環境下で、パート勤務の介護者などが重度の要介護高齢者の介護に当たったため、クラスターが発生した。
そういう構造的な問題があったのです」

テグネル氏が「守るべき高齢者を守れなかった」と言うと、スウェーデンの敗北宣言のように報じられたが、実際には、介護システムの問題を悔やんでの発言だったという。

感染死亡者は前倒し

{死亡者の平均年齢83歳は、スウェーデンの平均寿命83・1歳と重なる。
ただし、83歳時点での平均余命は7年程度あるが、コロナ禍で死亡した高齢者の8割は、在宅を含め要介護者だった。
ちなみに介護施設の入居者は、必ずしも予後が悪くない認知症患者を含めても、入居後18カ月で4割が死亡するという。

このデータを前提に、誤解を恐れずに指摘するなら、犠牲者の多くは、新型コロナに感染して死亡が若干前倒しになった、とは言えないか。
先に紹介したように、最近、週ごとの死者数全体が例年より少ないのは、その証左ではないか。

この点を宮川医師に尋ねると、「スウェーデン国内にそういう見方はあります」と言って、こう続ける。

「19年から20年にかけ、記録的な暖冬で、新型コロナ流行前は高齢者の死亡が少なかった。
例年通りの気候であれば冬を迎えて亡くなるはずだった方が生き延び、新型コロナに感染して亡くなったこともあり、死亡者数の波が余計に高くなったという状況です。また、新型コロナの犠牲になったのは予後が悪い方が中心だというのは、真実に近いと思います。
もっとも、適切な医療を受ければ助かった人もいるはずで、私の義父もコロナに感染してはいませんが、医療を受けられず亡くなりました。
だからといって、スウェーデンの政策が間違っていたということではありません」

日本人現地医師の感想

{スウェーデン在住者の実感を漏らす。

「ロックダウンは副作用がかなり大きく、経済的ダメージのみならず、長期的には精神面も含め、健康に悪影響を及ぼして命にかかわってきます。
また、センシティブで難しい問題ですが、ロックダウンで失われる命は、若い世代のほうが多いでしょう。
年齢に関係なく命は等価だという意見もありますが、予後が悪い高齢者と、これから社会を背負っていく若い人が同じであるとは、簡単には言い切れないと思います」

スウェーデンの街並み

スウェーデンの街並み

 

日本の反省と今後の方針

医師で医療経済ジャーナリストの森田洋之氏が言うことが、日本の反省点であり、今後の医療従事の専門家である医師と為政者の採るべき道である、と結論できる。

{経済がどん底のところに、パリやマドリッドばかりか、ニューヨークも再度のロックダウンを検討しているという。
片や非難の的であったスウェーデンは、死者がゼロの日も多い。
日本はそこから何を学ぶべきか。

「スウェーデンは結果的に利口な対策でしたが、4~5月の時点ではわからないことだらけで、イチかバチかの側面があったでしょう。
それに日本とは社会的背景も国民性も異なるので、日本も真似をすべきだったとは言い切れません。
しかし、データが揃いつつあるいまは違う。
冬に向けて第3波がやってきたとき、また緊急事態宣言、外出自粛や休業要請というのは合理的ではありません。
ロックダウンをしなくても収束に向かい、集団免疫も得られることが、スウェーデンのデータからわかるし、そもそもこのウイルスは、日本人には大きな脅威にならないことがわかっている。
外出自粛で感染防止に執心するだけでなく、たとえばステイホームの結果としての孤独が、自殺が増えるという最悪の事態に発展していることも考えるべきです」

スウェーデンの新型コロナ対策の背後に感じられるのは、このウイルスとは長い付き合いになるという覚悟と、そうである以上、無理は禁物だという大人の判断だ。
結果として、無用に追い詰められる人は少なくなる。
表面的には日本と似た緩い対策を支える精神の違い。
日々の感染者数に一喜一憂する日本が学ぶべきはそこにあろう。}

日本は既に集団免疫を獲得

昨年の新型インフルエンザ患者数の比較から、武漢ウイルス肺炎感染者・患者数を予測した京都大学の上久保靖彦教授によると、日本では既に80%以上の人口が武漢ウイルスに対する免疫を獲得していると述べている。

安倍元総理のシナからの旅行者の入国禁止を3月になるまで実施できなかった、判断ミスが逆にシナからの弱毒性コロナウイルスを日本に持ち込ませせ、日本人は早期に免疫獲得を得たようだ。


まさに、禍を転じて福となした安倍元首相と二階官房長官の業績によるものと評価されるかもしれない。
が、上久保教授の科学・統計・疫学に基づく理論は、一顧だにされない。
政府もマスメディアも見向きもしない。
日本の不幸と問題は、ここにある。

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