1986年ソ連のチェルノブイリ原発事故から学ぶ(2)

原発事故から11~12年後、ベラルーシ州のゴメリ地区住民の子供と成人死亡例のセシウム137蓄積濃度が測定されています。セシウム137は、成人も子供も計測した心臓、脳、肝臓、甲状腺、腎臓、脾臓、骨格筋、小腸のいずれにも取り込まれている。

成人では、150ベクレル/kgと高く、驚くことには甲状腺や骨格筋に400ベクレル/kgと高濃度に蓄積されている。

子供では、成人以上のセシウム137の蓄積濃度は高く、いずれの臓器・組織にも約400ベクレル/kg以上検出されている。
特に甲状腺の濃度は高く、1200ベクレル/kgに達している。

子供の甲状腺腫瘍が多く発生しているのは衆知ですが、これはヨード131の放射線障害だけによるものではなく、セシウム137の蓄積

も関与していると推測される。

そして、セシウム137のβ腺照射によるこれらの臓器への影響は、深刻な問題と考えなければなりません。

ベラルーシにおける住民10万人当りの悪性腫瘍患者の発生数は、1986年の原発事故の後、急激に増加したことが明かです。

悪性腫瘍患者の発生数は、都市部に比較し地方で増加が著しく、地方では原発事故後10年以降10万人当たりほぼ400人で推移している。

都市部での悪性腫瘍発生数が低く、地方で多いということは地方での食料事情、すなわち放射性物質汚染の食品を多く摂らざるを得なかったものと推測されます。

因みに、セシウム137の摂取は食物からが95%、飲料水から4%、呼吸からが1%と言われ、取り込みの原因は圧倒的に食品摂取によるものです。


1986年の原発事故時の甲状腺がん発生数はベラルーシ全体で年間数名であったものが、事故後少しずつ増加し4年後の1990年には明らかに増加している。

その後も甲状腺がん発生数は増加し、1999年よりは毎年200名ほどの新規甲状腺がん患者が発生している。

ヨード131による影響に加え、セシウム137の関与もあるものと推測される。

晩発性障害あるいはセシウム137の少量ではあるかもしれないが継続的な摂取による慢性障害といえるでしょう。

白内障は、通常加齢性の変化として認められる疾患です。

しかしながら、ベラルーシ州の1地区の原発事故後10年、11年の子供の白内障発症率は非常に高い。
また、発症率は被曝線量の増加に伴い増加していることから、セシウム137の外部および内部被曝によるものと考えられます。

チェルノブイリ原発による健康被害の調査は、晩発性の甲状腺がんに焦点を与えるのではなく、比較的簡単に検査ができる心臓病(ECG検査)や白内障にも注目すべきといえます。

これがチェルノブイリ原発からの大きな教訓と云えます。

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