ノニジュース製品のイリドイド濃度の比較
各種ノニジュース製品中のイリドイド濃度の比較
- 驚くべき品質の差が明らかに -
長崎大学薬学部とは、東京ノニ研究所発足以来共同研究を行って来ています。
この度、ノニに含まれる2種類のイリドイド物質、deacetylasperulosidic acid と asperulosidic acidの定量分析結果がまとまとりました。
イリドイドの分析結果は、8月福岡で開催される第12回国際アジア分析学会で報告されます(発表抄録はこちら)。
本研究は、東京ノニ研究所協賛会員である(株)エムケーラボラトリーズからの長崎大学への学術振興研究助成金、
および同社からの標準試薬、全分析サンプル提供によるものです。
分析成績を(株)エムケーラボラトリーズ様より入手致し、非常に興味深い成績でしたので報告します。
結果
ノニジュース製品のイリドイド含量
試料名 | 原産地 | DAA (μg/mL) | AA (μg/mL) |
合計(μg/mL) | 比率 (%) |
100%原液 | クック諸島 | 1981 | 17.8 | 1,999 | 54.6 |
ノ二果汁100%飲料 | フィリピン | 67 | N.D. | 67 | 1.8 |
八重山アオキエキス100% | 日本(沖縄) | 187 | 90.2 | 277 | 7.6 |
ノ二ピュア、有機JAS | タヒチ | 1479 | 52.7 | 1,532 | 41.8 |
Noni Spirit | サモア | 2423 | 31.1 | 2,454 | 67.0 |
タヒチ、ミックスジュース | フレンチ ポリネシア |
740 | 6.1 | 746 | 20.4 |
ノ二ピュア | ハワイ | 1420 | 74.6 | 1,495 | 40.8 |
有機JAS、ノニジュース100% | インドネシア | 2915 | 746.6 | 3,662 | 100 |
DAA: Deacetylasperulosidic acid AA: Asperulosidic acid 合計: DAAとAAの合計
考察
DAAもAAもノニ果実の重要成分成分であり、化学的には変形テルペン系イリドイドに属する物質であり、
下記のような多くの薬理活性を持っている。
抗アレルギー作用、抗関節炎作用、抗炎症作用
抗菌作用、抗カビ作用、 血小板凝固作用
抗酸化作用、抗収縮作用、免疫調節作用
殺虫作用、創傷治癒作用、神経防御作用、神経細胞成長因子促進作用
結果から明らかなように日本で販売されているノニジュースには、これら含量に大きな差が見られた。
インドネシア産の有機JASノニジュースのイリドイド含量を100とし他のノニジュースを比較した場合、
フィリピン産、沖縄産の100%ノニジュースと標榜しているものではそれぞれ1.8%、7.6%であった。
ミックスジュースであるタヒチ産のノニジュースでは、20.4%とインドネシア産の1/5である。
その他の100%ノニジュースと思われる商品でもイリドイド含量は、インドネシア産の40~70%程度。
東京ノニ研究所が以前から指摘しているように、
インドネシア以外のノニ果実が少ない、あるいは伝承的に使用されていない地域では、
使用するノニ果実の不適(未熟果実が使用されている)や製造方法の未熟・不適さにより
低品質のノニジュースになっている。
2商品では意図的に水などが加えられていると思われる。
ノニ果実の他の有効物質であるスコポレチンの濃度比較においても、
産地、販売商品によって大きな濃度差が認められている。
インドネシア産の成熟果実を使用したノニジュースが、最も高濃度のスコポレチンを含んでいる。
(スコポレチン比較) (スコポレチン比較2)
消費者の方々には、価格だけでノニジュースを選ぶのではなく、
産地や販売者の質に十分に留意して選択して頂きたいものです。