蘇った熱帯薬用植物ノニ: 便秘からガンまで (8)

ノニの品質には大きな差が

 現在、ノニジュースは世界各国で愛用され、健康食品分野においてノニは確固たる地位と信頼性を勝ち取った熱帯薬用植物と言えます。多くの健康食品やサプリメントが氾濫する中で、ノニジュースは日本に紹介されてから愛飲者は増えてきています。匂いや味は大きな障壁とならず、比較的に速やかに健康改善が実感され、リピート率の高い天然植物健康飲料です。

 そのため異なる産地、製造方法また販売方法によって多種、多様のノニジュース商品が販売されています。消費者は、健康飲料やサプリメントは同じ成分であるという先入観があり、ノニジュースに対してもどの製品も同じ品質と考えがちです。しかし、ノニジュースの品質はどれも同じなのでしょうか。20年間のノニ研究に携わり、ノニジュース製品には大きな違いがあることを実感します。
 
 品質の差、三つの要因
 一つは、産地による違いです。ノニは熱帯性気候を好む植物ですから、自ずと植生地域は限定されます。赤道を中心に南北回帰線範囲がノニ分布域であり、適地と言えます。しかし、赤道直下のインドネシアにおいても海抜1500m以上では、生育は良好ではありません。また、適地域内といえども土壌の種類、降雨量、周囲の環境によって木や果実の生育に影響を及ぼします。ノニの原産国インドネシアより、ノニは各地に伝搬したわけですが、気候風土にあった亜種が出来上がったことも考えられます。原産地から離れたところに移植し、生育するものの栄養成分は原産地のものに劣る例は多くの植物で認められます。例えば、インドネシア原産のクスリウコンは日本の沖縄で栽培されていますが、有用成分のクルクミノイド含量は少ないことが知られています(14)。

 二つ目の要因としては、製造法の違いによるものです。多種多様なノニジュースの項で紹介したように、製造方法は成熟果実の搾汁、放置浸出法(熟成、腐敗)、濃縮還元、果実粉末使用など産地のノニに対する知識、経験・伝承、収穫量、設備などによって多様化しています。ノニの伝承使用や経験がない国や地域では、成熟果実だけでなく青い未熟果実もジュースの材料となっています。これらの条件によって、ノニジュースの品質は大きく異なるものになり、ノニ果実本来の有用性が消失します。設備が貧弱で衛生的でない環境で作られるノニジュースは、細菌に汚染されてしまいます。実際、日本の港に到着した際、ノニジュースを入れた容器はガス発生により膨れ上がっている例があり、食品検疫で輸入は拒絶されました。食品衛生法は、飲料水は殺菌することを義務付けていますが、度重なる加熱殺菌は当然のことながら栄養、有用成分に影響します。産地でノニジュースの最終製品を製造すれば、殺菌工程は一度で済むため、最も望まれる製法となります。

 三つ目の要因は、自然環境とか製造方法によるものではなく、故意にノニジュースを希釈して容量を増やすというノニ果実の健康目的から逸脱するものです。ノニ果実を実際に見たことも、齧ったこともない消費者が100%です。水で薄まっていても確認できません。非衛生な工場で製造されたノニジュースには、殺菌作用のあるパラベンなどを添加した事例があり輸入禁止になっています。また甘味料のサイクラミン酸添加ノニジュースを輸入、あるいは果糖を添加して無添加100%ノニジュースを販売した日本の業者もいました。ノニに他の果実ジュースや香料を添加しても、表示しない商品もあります。これらの例は、報告されたものだけであり、実際どのような不正が行われているかは誰にもわかりません。ノニは天然の機能性食品であり、合成化学物質の添加などない安全、安心、そして偽りのない健康飲料でなければなりません。

インドネシア産メンクド・ベサールを使用したノニ製品

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