6000年の歴史から蘇った健康食品ノニジュース(1)

20年を迎える日本の健康食品ノニジュース

ノニの国インドネシア原産のノニジュースを日本に紹介して、来年(令和2年)20年を迎えようとしています。
その2年前、ODAの業務で出かけたインドネシアで紹介されたノニが、このように健康に関心を持たれる日本の方々に受け入れられるとは想像はしていませんでした。
多種類の健康関連食品やサプリメントの新製品が毎年誕生し販売される我が国の健康食品分野ですが、ノニはその独特の味、匂いにも拘わらず健康飲料の主要な地位を確立したといっても過言ではないでしょう。

これには二つの要因が関係しています。

一つは、ノニジュースは比較的に速やかに効果が体感でき、便秘などは数日以内に改善します。独特の匂いは数日の引用で違和感が無くなり、副作用もないことから長期飲用ができ、様々な体調改善が得られることです。
ノニジュースを飲み続けられている方の多くは、風邪をひかなくなった、医者に行った覚えがないなど健康状態の維持、増進作用が確かなことです。当に「医者いらずの健康食品」です。

二つ目には、日本人の天然植物に対する知識や理解の高さによるものです。
漢方薬の教えから「良薬は口に苦し」を心得ているのです。自然に対する畏敬の念、万物に霊魂が宿るという日本民族のDNAが天然物を受け入れさせる素地でもあるでしょう。

中部ジャワ州の農家の庭に植えられているノニ
ノニはインドネシアの人々にとってはかけがえのない伝承医薬品

ノニはアカネ科のインドネシアを原産とする熱帯薬用果実

インドの桑の実、柑橘類の葉に似た植物から「Morinda citrifolia」の学名が与えられ、日本では沖縄のヤエヤマ諸島の青木村の地を由来として「ヤエヤマアオキ」と命名されています。インドネシアを中心に広く南太平洋諸島、インド、アフリカ東岸に至る多くの地方にノニが拡散されています。

インドネシアのノニ果実、大きなノニ果実メンクド・ベサールと呼ばれるインドネシア原種

約2万年前、地球温暖化によりスンダ大陸が埋没して現在の地形のインドネシア諸島になりましたが、約6000年前に中国の南部地方からインドネシアへの住民の大移動が起こりました。南下する途中のメラネシアでノニを見つけ、インドネシア諸島へ持ち込み、以後航海や移住に際して貴重な栄養果実としてミクロネシア、ポリネシア、更には沖縄にも伝搬させました。
しかしながら、沖縄を含め多くの地域ではノニ果実を栄養食品および薬品として、使用した経験はありません。

ノニの国インドネシアの地方を旅すると、ほとんどの家の庭にノニの木が植えられている光景を見ます。6000年に及ぶ長期間、現在にいたるまで連綿とノニは人々の暮らしと密着しているのです。
日本では柿がノニに相当するのでしょうが、ノニが医薬品として取り扱われる点で大きく異なります。ノニの果実や葉は、インドネシアの人々にとっては病気の治癒、予防、健康増進のための伝承的な医薬品として使用されてきています。
強い生命力と成長の速さ、一年中結実しいつでも成熟果実の利用が可能、緑陰効果、害虫忌避効果、コーヒー園の境界区分などに有益なため広く利用されます。
根は天然の赤橙色染料としてインドネシアの伝統工芸バテッィクに使われ、合成染料が発明される前には欧州への輸出産品でした。

このようにインドネシアの人々の生活と密着し、長い伝承医薬品として貢献していることは、ノニの安全性や薬理効果が確かなものであることを示します。
僅か200年の歴史の現代薬学による合成化学物質の安全性、薬効評価による手法より、生きた人間生活から得られた智慧による評価に賛同したい。

ノニはインドネシアの伝承医薬品ジャムゥ

インドの生命医学アユールベーダは、インドネシアではアユールベーダを基に独自の発展し伝承医薬品「ジャムゥ」が確立されています。
8000種類以上の天然の植物がリストアップされていますが、ジャムゥの中でもノニは重要な地位を占めています。
ノニ果実は単独で、あるいは他の薬用植物と混合して用いられ、インドネシアのジャムゥ研究者や薬学研究者必携の薬用植物学書籍、「Jahe Puyang 2」によると適応疾患は30種類を超えます。

基本的には、黄色く成熟した果実の新鮮ジュースを1日1個分、重篤な疾患には2個を用います。
ノニ果実1個は、概ね30~50mLのジュースに相当します。成熟果実をそのまま齧って強壮に、また野菜類と一緒にサラダとして食べる習慣もあります。著者はインドネシアで機会あるごとにノニ果実を齧って食べますが、独特の匂いと酸っぱさ、舌への刺激性にノニ果実の薬理効果を感じます。そして有機食品に慣れたヨーロッパ人が有機天然果実に対して表現する「ビオBio」の味を実感します。
ノニ果実は収穫後長期保存ができないため、残念ながら日本で生の果実を味合うことはできません。

インドネシアの伝承医薬品ジャムゥを売る女性のジャムゥゲドン(絵画、ジョグジャカルタ)

西垣敏明略歴
昭和23年兵庫県生まれ。県立八鹿高校、長崎大学薬学部卒業。薬剤師、医学博士(信州大学)。
製薬会社にて新薬の安全性研究に従事し、(財)食品薬品研究センター、国際協力事業団(JICA)派遣の専門家としてフィリピン保健省で国際協力に従事。フィリピンに霊長類を用いた医薬品研究所設立に関与し、ODAの無償協力案件調査に従事。インドネシアでノニに出会い、以後ノニおよびその他インドネシア産熱帯薬用植物の研究開発をインドネシア政府と共同で行っている。東京ノニ研究所代表、信州大学医学部特別研究員。著書:ノニ科学読本1~4、漫画みなみのノニ子ドタバタ奮闘記、博士の愛したブアメラなど

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