6000年の歴史から蘇った健康食品ノニジュース(2)

日本に於けるノニジュースの研究

ノニの有用成分
さて、ノニ果実に出会い直ちに長崎大学薬学部との共同研究を開始し、ノニ果実や葉の有効成分がクマリン誘導体のスコポレチンや利胆剤として医薬品「ヒメコール」成分であることを初めて発見しました。
匂いの本体は母乳にも含まれる炭素数6,8および10個の中鎖脂肪酸であることを定量的に分析し、速やかなエネルギーや熱産生を惹起することが推測されています。
更に、様々な活性酸素種に対する抗酸化作用が強いことを確認し、特にスコポレチンはビタミンCの2倍以上の一重項酸素の消去作用を報告しました。
イリドイド誘導体もノニ果実ジュースの重要な機能性成分であることも確認され、薬力学的研究に発展しています。
ノニ果実中の有用物質や抗酸化能は、各地域や製造方法によるノニジュースの品質評価に応用されています。
いくつかの比較分析試験の結果、日本で販売されるノニジュースの品質には、驚愕すべき大きな差があり、ノニの原産国インドネシア産のノニジュースが最も高品質であるとの結論に至っています。
ノニ果実の種類、気候風土、製造工程や商道徳上の要因によって、大きな差となって表れていると思われますが、消費者への情報提供の必要性を痛感します。

ノニの生理作用、薬理効果
インドネシア大学との共同研究ではノニ果実の抗菌作用、突然変異抑制作用、DNA傷害抑制作用が明らかにされ、肥満改善に効果が期待できる脂肪吸収抑制作用も確認できました。
ヒトでのノニジュース飲用効果として、DNAの酸化ストレスによって発生する8OHdGの減少が認められ、ノニジュースのがん発生の予防効果が示唆されます。
実際、がん患者がノニジュースを飲むことにより抗がん剤化学療法等の副作用軽減につながり、体力の改善・回復によって生きながらえている実例は少なくありません。

インドネシア産のノニジュースには、血液流動性改善効果(いわゆる血液さらさら効果)が認められ、その効果は即効性かつ飲用継続によってどろどろ血液状態の改善が確認できました。スコポレチンの血小板凝集抑制によることが推測され、東京医科歯科大学医用材料研究所での共同研究からノニジュースによる一酸化窒素産生作用による血管拡張作用が示唆されました。

これらの結果から、ヒトの本態性高血圧に対する作用が期待され、武庫川女子大学薬学部との10年にも及ぶ共同研究に繋がっています。
実験ではヒトと同じ機序で発症する遺伝性高血圧易脳卒中発症ラット(SHR-SPラット)を用い、収縮期および弛緩期血圧の明らかな低下、脳卒中発症遅延と寿命延長効果を報告しました。
その機序は、血管内皮細胞での一酸化窒素産生による血管の拡張作用によるものです。
この試験ではノニジュースのインスリン非依存性の血糖低下も観察され、新しい機序をもった抗糖尿病薬への開発が期待できます。
現在、寿命延長に伴うインドネシア産有機ノニジュースの抗痴呆作用の研究を行っており、高齢化社会の問題を解決できる健康食品として提案できるものと期待しています。

日本薬学会での武庫川女子大学薬学部とのノニ研究発表

日本においてノニジュースを飲用することによって、関節リウマチが改善したとの報告をいただきます。
関節リウマチは自己免疫疾患であり、日本では約0.4%の方が罹患し、女性の罹患率は男性より高いと言われています。鎮痛剤や免疫抑制剤により症状は緩解しますが、これら医薬品による副作用により平均余命は10年以上短くなることが大きな問題です。

ヒトと同じ免疫機構で発症する関節リウマチ病態マウス(SKGマウス)を用いた研究を富山大学薬学部で行っています。
その結果、SKGマウスの手肢の関節の腫脹はインドネシア産有機ノニジュースで抑制され、関節の組織学的な観察で関節リウマチに特有な関節滑膜の増生、軟骨壊死、炎症細胞浸潤は抑制され、ノニジュースの関節リウマチ予防効果が確認できました。副作用はありません。
このように、ノニジュースは副作用がなく長期間飲用しできる健康食品として注目を集めています。

朝のこわばりを感じたら飲用を初めて欲しいと思います。

自然関節リウマチ発症SKGマウス、前肢の腫脹

便秘からがんまで
ノニジュースは、「便秘からがんまで」に適用される熱帯用薬用果実ジュースとして、上述した効果以外にも多くの疾患に改善効果があります。水溶性ビタミン、ミネラルに加えて、ペクチンを代表とする食物線維は、栄養性の高さを示しています。特に新鮮なノニジュースのビタミンCは果実の中でも最も多い部類に属し、カリウムは細胞内代謝増強に寄与します。

ただし、インドネシアのノニ果実の伝統的な使用例として、乳幼小児や妊婦への処方はありません。積極的に勧めるべきでないでしょう。

ノニジュースは、現代医薬学的な発想による使用ではなく、健康状態の維持・増進、恒常性の維持、全身の細胞の賦活、全身バランスの調整による体力の向上を目的とした栄養機能性食品ととらえるべきと思います。

ノニジュースには大きな品質の差が
日本に紹介されて20年の栄養機能食品ノニジュースは、日本人の健康に少なからぬ貢献をし、多くの方にとっては毎日の生活の一部となっています。
しかしながら、上述したようにノニジュースの品質には大きな差があります。

その一つの事例としてフランス領タヒチを原産とするノニに他の果実素材と香料を加えたノニジュース飲用によって、ヨーロッパにおいて肝臓毒性を惹起する事例が報告されています。
この事例に基づき、日本医師会は会員医師に対して患者にノニジュースの飲用を禁止する通達を出しています。
多くの賢明な医師は、患者がノニジュースを飲用することを否定しませんが、積極的に医療現場での活用を控えているように思われます。

上述の肝臓毒性の原因となったノニジュースは、ノニ果実成分が約20%しか含まれていません。ただし、香料が添加されており、合成香料と推測されます。
日本で流通するノニジュースの殆どは100%ストレートジュースであり、他の果実成分との混合ジュースでも合成化学物質は添加されていません。 もし、ノニジュースが原因で肝臓毒性を誘起するならば、ノニの国インドネシアでは既に伝承医薬品ジャムゥとして利用されない植物となっているでしょう。
また、日本でも多くの副作用の報告の可能性がありますが、肝臓毒性の報告は皆無です。

このようにノニジュース製品の品質には差が確実に存在し、総てのノニジュース商品を同一の製品と考えるのは、医療従事者の誤った考えです。現在以上にノニジュースがより多くの方の健康に寄与するためには、医療従事者への正しい情報を与え、意識の改革を行う努力が課題だと思われます。
いずれにしても、インドネシア原産の熱帯薬用植物ノニには6000年の使用の歴史があることを尊重し、重要視してよいと思われます。先人の知恵は大いに傾聴すべきではないでしょうか。

令和元年八月
東京ノニ研究所
代表 西垣敏明、医学博士

参考資料
1ノニ科学読本、1,2,3,4。西垣敏明著、東京ノニ研究所
2ノニが免疫力を高め万病を治す。インフォレスト株式会社
3みなみのノニ子、ドラバタ奮闘記。西垣敏明監修、東京ノニ研究所
4孫 艶、田中梨沙、西垣敏明、中島弥穂子、中島憲一朗、HPLCによるノニ健康食品中のクマリン系化合物の定量。 第123回日本薬学会総会、2003.
5Hendra WIJAYA 1, Tita AVIANA, Priyo WASPODO, Ingrid SURONO, Toshiaki NISHIGAKI, Mitsuhiro WADA and Kenichiro NAKASHIMA. Scopoletin and medium chain fatty acids of Morinda citirifolia (Noni) fruit by its maturation. International Conference, Exhibition and Short Course o Nutraceuticals and Functional Foods. Bali, Indonesia, 2010
6岩井秋絵、吉富久恵、西垣敏明、高明。メタボリックシンドロームにおけるノニ果実の改善効果第136回日本薬学会総会、2016
7Rie Ikeda, Mitsuhiro Wada, Toshiaki Nishigaki and Kenichiro Nakashima. Quantifixation of cumarine derivatives in Noni (Morinda citrifolia) and their contribution of quenching effect on reactive oxygen species. Food Chemistry. 2009, 113, 1169-1172.
8Mitsuhiro Wada, Megumi Kira, Hirotsugu Kido, Rie Ikeda, Naotaka Kuroda,Toshiaki Nishigaki, Kenichiro Nakashima. Semi‐micro flow injection analysis method for evaluation of quenching effect of health foods or food additive antioxidants on peroxynitrite. Luminescence. 2011; 26 (3), 191-195.
9Maya Kudo, Hisae Yoshitomi, Toshiaki Nishigaki and Ming Gao.
The Effects of Morinda citrifolia (Noni) Fruit Juice on the Prevention od Stroke by Promoting Production of Nutric Oxide through the Brain of the Spontaneously Hypertensive Stroke Prone (SHRSP) Rats. J of Nutritional Therapeutics, 2018, 7, 1-12.
10 Dyah Aninta Kurstiarini, Toshiaki Nishigaki, Hiroyuki Kanno and Hideto To.
Effects of Morinda cutrifolia on Rheumatoid Arthritis in SKG Mice. Biol. Pharma. Bull. 2019, 42, 496-500
11 日本医師会への質問状。東京ノニ研究所、https://noni-ken.jp/?p=270
12東京ノニ研究所からの質問に対する日本医師会からの回答。 https://noni-ken.jp/?p=289

西垣敏明略歴
昭和23年兵庫県生まれ。県立八鹿高校、長崎大学薬学部卒業。薬剤師、医学博士(信州大学)。
製薬会社にて新薬の安全性研究に従事し、(財)食品薬品研究センター、国際協力事業団(JICA)派遣の専門家としてフィリピン保健省で国際協力に従事。フィリピンに霊長類を用いた医薬品研究所設立に関与し、ODAの無償協力案件調査に従事。インドネシアでノニに出会い、以後ノニおよびその他インドネシア産熱帯薬用植物の研究開発をインドネシア政府と共同で行っている。東京ノニ研究所代表、信州大学医学部特別研究員。著書:ノニ科学読本1~4、漫画みなみのノニ子ドタバタ奮闘記、博士の愛したブアメラなど


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